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第五十話 華毒

last update Dernière mise à jour: 2025-09-03 08:00:00

 五十話 華毒

 突破する事が出来ないレイングは、自分の力に限界を感じていた。何かが自分を邪魔しているように、空間全てが彼を拒絶している。その現実に飲み込まれそうになっていく。

「苦戦してるね〜。オイラが助けてあげようか?」

 シュタッと天井から降りてくる一人の少年が現れた。見る感じ、18くらいだろうか。頭には見た事のない猫耳を生やしている。真っ黒の装束はまるで、忍びのように見える。気配を完璧に消していた少年は、楽しそうに微笑むと、キランと光るクナイを取り出した。

「お前は何者だ?」

「オイラの事知りたいの? それはいいけど。その前にこの結界を壊さないといけないんでない?」

「……」

 正体が分からないままで、力を貸してもらうのは危ないだろう。名前も名乗らず、ただ単に協力してくれている子の状況に疑問しか浮かんでこない。

「そこまで警戒せんといてよ。鈍いオイラでも傷ついちゃう」

 くるんとターンをすると、恥ずかしい格好を見せつけてくる。エロい瞳を見せつけながら、くねくね動く体を見て、引いてしまうレイングがいた。

「今引いたよね、酷いなぁ」

「……変態にしか見えないからな」

「冷たすぎじゃない? だからハウエルにも愛想尽かされるんだよ〜」

 俺の名前が出てくると、レイングの彼に対する目つきが変化していく。自分達の情報は何一つ漏らしていないのに、どうして名前を知っているのか、警戒し始めていた。

「オイラは君達の旅が円滑に進むように依頼をされた忍者だよ。メリエット様から助けるように言われたんだ。これ書状」

 胸元に隠していた書状を取り出し、見せてくる。レイングは確認の為に、内容を確認するが、この書状に綴られている筆跡はメリエットのものだ。そして国に証明されているハンコが押されている。メリエットの筆跡を真似る事は出来るかもしれないが、国が関わっているのなら、このハンコは偽造出来ない。押されたハンコには魔力が付与されているからだ。偽物ならこのようなテクニックは施されてはいないだろう。

「……本物だな」

「当たり前〜。
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